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ISO14001(EMS)とは

ISO14001は「環境マネジメントシステム」の国際規格です。マネジメントシステムとは、「組織運営のルール」「経営の仕組み」のことで、環境を継続的に改善する仕組みの実現のために、必ず満たさなければならない事柄(=要求事項)を定めた規格となります。

この規格では、環境保全と汚染予防を実現するために、特定した環境側面の情報の文書化、定めたルールの実施とその記録、実施状況の点検と改善を行ってゆくことが要求されています。

ISO14001規格の最新版は昨年2015年に改訂されたISO14001:2015です。元の規格書であるISO14001は英文で記述されているため、実際に取り組むにあたっては、日本語に翻訳された「JIS Q 14001:2015」を参照することになります。

ISO14001の要求事項について

ISO14001の要求事項を列挙していくと、80項目の要求事項があると説明されることがあります。これは、規格原文の「shall」の個数をカウントした数字なのですが、「shall」の個数に着目されることがあるのは、これが英語の助動詞で命令・規程「~しなければならない」を意味するためです。
以下の通り、ここでは特徴的なポイントを大きく5つ取り上げることにします。

1.PDCAサイクルによる継続的改善

PDCAサイクル

ISO14001では、PDCAサイクルに基づいた環境改善、汚染予防を行う仕組みを作り、実施していきます。PDCAサイクルというのは、計画(Plan)・実施(Do)・評価(Check)・改善(Act)の英語の頭文字をとったものです。

2.文書化

ISO14001規格が文書化された手順を要求しているのは「運用管理」のみです。組織内で環境側面の管理を標準化しても、それを「見てわかる」ようにしなければ、人によって作業方法が異なったり、その結果にブレが生じます。また、緊急事態への対応についても、あらかじめ決めておく必要があります。このため、必要に応じて、手順を文書化します。また、作業を振り返って、評価(Check)・改善(Act)につなげるためには、記録の取得・維持も重要になります。
文書や記録の要求事項については、ISO14001の4章で取り上げられています。

3.著しい環境側面

ISO14001に基づく環境マネジメントシステムで、最も重要な条項の一つが著しい環境側面(6.1.2)です。自社の活動・製品・サービスは、環境に対して、何らかの影響を与えています。環境側面とは、排出、材料の消費、騒音の発生などのことであり、その中でも著しい環境側面を決定する手順を確立し、実施し、継続することが要求されています。このように、環境側面から発生する環境影響の大きさを評価し、著しい環境側面を特定することが環境影響評価となります。この際、ライフサイクルの視点を考慮しなければなりません。

4.順守義務

ISO14001では大きな特徴である重要な要求事項です。順守義務(6.1.3)とは、環境法だけではなく、適応範囲の組織の環境側面に関する法律、政令、省令、自治体の条例などのことで、組織が特定することが求められています。また、取引先からの要求や近隣住民との同意事項など、より広いになります。こうした順守義務を組織にどのように適用するか明確(部署、設備、対象物等々)にし、決定しなければなりません。環境マネジメントシステムを構築する上で、こうした順守義務を考慮に入れることが必要です。

5.内部監査

ISO14001では、組織の管理能力達成のチェック手段として、内部監査の実施を求めています。これは、組織の仕組み(=マネジメントシステム)がどのように運用されているかについて組織内でチェックする作業です。仕組みの運用が、組織が定めた環境方針、環境目的・目標が達成しているか、ISO14001の規格要求に沿っているか、さらに効果的に運用されているかといった観点から実施していきます。マネジメントシステムの運用を形骸化・陳腐化させないために重要なものです

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