HOME » ISO55001とは

ISO55001 アセットマネジメントシステム(AMS)とは

ISO55001(AMS)は、「アセットマネジメントシステム」の国際規格です。「アセットマネジメント」のための「マネジメントシステム」を意味します。「アセットマネジメントシステム」は「資産管理」のことであり、「アセットからの価値を実現化する組織の調整された活動」と定義されています。「マネジメントシステム」は「組織経営の仕組み」のことですから、アセットマネジメントが適切に実施されて目標を達成するための組織経営の仕組みを定めた規格といえます。

 

ISO55001(AMS) の「アセット」とは、「組織にとって潜在的に又は実際に価値を有するもの」と定義されます。物的アセット(設備・機械・インフラなど)だけでなく、非物的アセット(人材、情報、信頼関係など)も含まれますが、物的アセットが主な対象となります。

 

ISO55001の活動(PDCAサイクルによる継続的改善)

ISO55001とは

アセットマネジメントを実現するために、計画(Plan)・実施(Do)・評価(Check)・改善(Act)のPDCAサイクルを運用し、計画的かつ効率的な施設管理を行うことにより所期の機能を継続的に発揮できるよう目指します。

ISO55001の主な対象

物的アセットである、社会インフラ(上下水道、エネルギー、道路)、社会ファシリティ(住宅、建物、学校、病院、市役所、プラント)などが主な対象となり、特に社会インフラの事業において、ISO55001の認証取得が進んでいます。

中でも、国土交通省は「下水道分野におけるISO55001ガイドライン検討委員会」を設置し、ISO55001の認証取得を後押ししています。2014年3月に仙台市の下水道事業などがISO55001の認証を取得したことが背景にあります。その後「下水道分野におけるISO55001適用ユーザーズガイド」が発行され下水道事業者へのアセットマネジメントシステム導入を後押ししています。

また、厚生労働省では水道事業における「アセットマネジメント(資産管理)に関する手引き」を発行し水道分野におけるアセットマネジメント手法の導入を後押ししています。

このような背景を受け、上下水道の分野での認証取得が進んでいますが、今後、道路、電力、ガス、通信、ファシリティ、プラントなどの分野の認証取得が増えていくことが期待されています。

戦略的アセットマネジメント計画(SAMP)の策定

組織の目標をどのようにアセットマネジメント(AM)目標に変換するのか、AM計画を策定するためのアプローチに変換するのか、AM目標達成を支援することにおけるAMSの役割に変換するのかを特定する文書化された情報がSAMP(Strategic Asset Management Plan)です。組織の目標と、現場で立案される具体的な計画(AM計画)をつなぐものと位置づけられています。

リスクマネジメント

対象となるアセットを洗い出し、アセットポートフォリオとしてアセットの洗い出しを行います。洗い出したアセットの持つ特性を考慮し、アセットの管理に伴う「リスクと機会」を決定します。「リスクと機会」への対処には、「リスクと機会」が時間とともにどのように変化するかを考慮します。例えば、耐用年数のように、時間の経過に伴いリスクが増える要素があります。被害規模や発生確率などを考慮したリスクマトリクスの手法を用いて、アセットのリスク状況を把握し、対応の優先度、重要度を決定し対応の方針を決定します。

リスク対応方針は、リスクの「低減」、リスクの対象となるアセットを取り除く「回避」、外部供給者へのリスクを移す「移転」、リスクのレベル(水準)やその他の基準を明確にした上でのリスクの「受容」といった選択肢を検討し意思決定を行います。

ISO27001(ISMS)認証取得についてのご相談はこちらへ